日本探偵小説を語るうえで欠かせない作家・江戸川乱歩。
ミステリー、幻想、怪奇、美と狂気——乱歩作品はジャンルを超えて愛され続けています。
この記事では、乱歩初心者でも読みやすく、なおかつ作品世界に触れられる代表作をランキング形式で紹介します♪
あらすじ・見どころ・初心者におすすめの理由、さらに Audibleで聴ける作品 までまとめました。
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👉 江戸川乱歩とエドガー・アラン・ポーの違い解説記事
1位：人間椅子（にんげんいす）
【人間椅子】あらすじ
家具職人の男が、自ら作った椅子の中に潜み、女性の体温を感じるという倒錯した欲望を語る告白文の形をとる怪奇小説。
女性作家の元に届いた奇妙な手紙。そこには「私は椅子の中に隠れ、座る女性を見続けていた」という異様な告白が綴られていた…。
彼は醜い容貌を持つ椅子職人であり、腕前は一流ではあるものの、人に愛されずに生きてきた。
自分が丹精込めて作り上げた椅子を手放したくない、出来ることなら、その椅子と一緒に、、、
オーディブル【人間椅子】配信ページ
【人間椅子】おすすめポイント
- 乱歩のテーマ“変態性”を最も象徴
- 読後感が圧倒的
- 乱歩を知らない人でも印象が強い
【人間椅子】初心者でも読みやすい理由
短編でテンポが良く、物語の構造が明快。
【人間椅子】Audibleで聴ける？
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聴けます。
朗読の緩急が効いており、怪奇さが倍増。
ジャンル：倒錯怪奇（短編）
ナレーター：佐々木 健
再生時間：53 分
2位：芋虫（いもむし）
【芋虫】あらすじ
戦争で両腕と両足を失い、言葉も発せない夫を介護する妻（時子）
ただし夫の心は生きている。
口に鉛筆をくわえて書く、目や表情を使うなど以外に持たない肉塊に変わり果ててしまい、まるで大きな芋虫のようであった。
妻は次第に夫の視線に恐怖を抱き——
いつしか時子の内面は、貞淑な妻では無く、情欲にかられる獣のように変わっていた、、、
オーディブル【芋虫】配信ページ
【芋虫】おすすめポイント
【芋虫】初心者でも読みやすい理由
物語の起承転結がくっきりしており短編。
【芋虫】Audibleで聴ける？
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ジャンル：心理劇（短編）
ナレーター：斉藤 範子
再生時間：1 時間
プロの演技で恐怖が倍増。
3位：D坂の殺人事件
【D坂の殺人事件】あらすじ
名探偵・明智小五郎が初登場する記念すべき作品。
密室殺人と推理の論理戦が展開される。
名探偵・明智小五郎が登場し、犯人の心理とトリックを鋭く読み解いていく。最後に語られる明智の弁は・・・
オーディブル【D坂の殺人事件】配信ページ
【D坂の殺人事件】おすすめポイント
【D坂の殺人事件】Audibleで聴ける？
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ジャンル：本格推理（短編）
ナレーター：鬼城院 護
再生時間：1 時間 14 分
朗読が人気です♪
4位：屋根裏の散歩者
明智小五郎シリーズで最も人気の高い作品の一つ。
屋根裏を移動できる構造を利用した“犯罪の可能性”が魅力。
オーディブル[屋根裏の散歩者]配信ページ
あらすじ
青年・郷田三郎は、偶然知った“天井裏を歩く快感”に魅了され、やがてそれがさらなる倒錯へと繋がっていく。
【屋根裏の散歩者】初心者でも読みやすい
・テンポが良い
・映像的な描写でイメージしやすい
【屋根裏の散歩者】Audible発信あり♪
ジャンル：倒錯心理（短編）
ナレーター：新居 祐一
再生時間：1 時間 40 分
5位：押絵と旅する男
幻想と現実の境界が溶け合う、江戸川乱歩らしい怪奇と哀愁の短編です。汽車での偶然の出会いから始まり、押絵に閉じ込められた“永遠の恋”の物語が語られます。
江戸川乱歩の短編『押絵と旅する男』は、幻想文学の傑作として今なお読者を魅了し続けています。汽車での偶然の出会いから始まる物語は、押絵に閉じ込められた“永遠の恋”をめぐる奇怪な体験へと読者を誘います。浅草十二階、蜃気楼、覗きからくり──現実の風景と幻想世界が交錯する舞台設定は、乱歩ならではの妖しさと郷愁を漂わせます。
「人は幻想に呑み込まれると、どこまで現実を保てるのか？」
そんな問いを投げかけるこの作品は、単なる怪談ではなく、愛と執着が人を異界へ導く瞬間を描いた文学的怪奇譚です。
オーディブル【押絵と旅する男】配信ページ
ジャンル：幻想文学・怪奇小説（短編）
ナレーター：野口 晃
再生時間：1 時間 12 分
6位：パノラマ島奇談
乱歩の“美”の世界観を堪能できる長編。
狂気の富豪が理想郷「パノラマ島」を作り上げる物語。
江戸川乱歩の中編小説『パノラマ島奇談』は、夢と狂気が交錯する幻想文学の傑作です。瓜二つの富豪になりすました男が、莫大な財産を使って理想郷「パノラマ島」を築き上げる──その舞台は、奇岩や庭園、幻想的な建築が連なる異世界のような空間。読者は、現実離れした美の饗宴に酔いしれながらも、やがて訪れる破滅の影に心を揺さぶられます。
「人は夢のために、どこまで狂えるのか」
乱歩が描いたこの問いは、現代の私たちにも鋭く突き刺さります。推理小説の大家でありながら、幻想怪奇の世界を切り拓いた乱歩の代表作として、『パノラマ島奇談』は今なお多くの読者を魅了し続けているのです。
ジャンル：「幻想文学」「怪奇小説」（中編小説）
ナレーター：新居 祐一
再生時間：5 時間 14 分
オーディブル『パノラマ島奇談』配信ページ
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7位：心理試験
明智小五郎シリーズの中では、最も“心理戦”が際立つミステリー
江戸川乱歩の短編『心理試験』（1925年発表）は、探偵・明智小五郎シリーズの第二作として知られる名作です。物語は、苦学生・蕗屋清一郎が守銭奴の老婆を殺害し、大金を奪うところから始まります。完全犯罪を目論む蕗屋は、心理試験に備えて周到な練習を重ね、試験を見事に突破します。しかし、彼の冷徹な計算を超える存在──探偵・明智小五郎が登場し、言葉の罠によって真実を暴いていくのです。
この作品の魅力は、犯人視点で描かれる倒叙形式にあります。読者は犯人の計画と心理を知った上で、探偵がどのように真相へ迫るのかを見守ることになります。心理学的知識を取り入れたトリックと、明智の鮮やかな推理が交錯する展開は、乱歩が「専業作家になる決意を固めた」と語るほどの力作です。
ジャンル：倒叙形式の心理学的探偵小説
ナレーター：新居 祐一
再生時間：1 時間 29 分
オーディブル『心理試験』配信ページ
8位：黒蜥蜴（くろとかげ）
江戸川乱歩の長編『黒蜥蜴』（1934年初出）は、怪盗と探偵の華麗な対決を描いたサスペンスの傑作です。物語の中心にいるのは、美貌と妖艶さを兼ね備えた女怪盗・黒蜥蜴。彼女は宝石や美術品を狙うだけでなく、人間そのものを「美のコレクション」として収集しようとする異常な美意識を持っています。
対するは名探偵・明智小五郎。誘拐、変装、心理戦──二人の知恵と美学がぶつかり合う展開は、乱歩作品の中でも特にドラマティックで、読者を一気に引き込みます。
この作品は後に三島由紀夫によって戯曲化され、舞台や映画でも繰り返し上演されてきました。乱歩の代表作のひとつとして、今なお鮮烈な魅力を放ち続けています。
ジャンル：探偵小説でありながら怪奇ロマンを帯びた犯罪サスペンス
ナレーター：でじじ, 斉藤 範子
再生時間：6 時間 50 分
オーディブル『黒蜥蜴』配信ページ
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9位：陰獣（いんじゅう）
乱歩の“倒錯と愛”を極めた名作。
作家と謎の人物の執着愛が狂気に走る。
江戸川乱歩の長編『陰獣』（1928年）は、探偵小説の枠を超えて、倒錯と幻想が交錯する異色作です。物語は、若き作家・大江春泥が、妖艶な未亡人・大江美奈子から奇怪な相談を受けるところから始まります。彼女は「陰獣」と名乗る謎の男に脅迫されていると語り、その正体を探るために名探偵・明智小五郎が登場します。やがて明らかになるのは、文学と現実が入り混じる倒錯的な愛憎劇──美奈子と陰獣の関係、そして人間の欲望の深淵です。
乱歩らしい怪奇的ロマンと心理的緊張感が融合し、読者を幻想と恐怖の世界へと引き込みます。
この作品は、推理小説としての構造を持ちながらも、乱歩独特の耽美的・幻想的要素が強く、後の日本探偵小説の方向性を大きく広げた重要作とされています。
ジャンル：探偵小説でありながら幻想怪奇ロマンを帯びた心理サスペンス
ナレーター：西村 健志
再生時間：4 時間 18 分
オーディブル『陰獣』配信ページ
10位：孤島の鬼
明智小五郎が本格的に活躍する長編。
ホラー×探偵×サスペンスの集大成。
江戸川乱歩の長編『孤島の鬼』（1929年）は、探偵小説の枠を超えた異色の冒険ロマンです。物語は、青年・蓑浦金之助が奇怪な事件に巻き込まれ、やがて孤島に隠された秘密へと辿り着くところから始まります。そこには、怪人・恩田乱学とその一味が築いた異様な世界が広がり、陰謀、怪奇、そして愛憎が交錯します。乱歩らしい幻想的描写と倒錯的な人間模様が織り込まれ、単なる推理小説ではなく、冒険譚・怪奇譚としての魅力を放つ作品です。
この作品は、乱歩が「探偵小説から冒険小説へ」と挑戦した意欲作であり、日本探偵小説史の中でも特異な位置を占めています。孤島という閉ざされた舞台で繰り広げられる怪奇とロマンは、読者を非日常の世界へと誘い込みます。
ジャンル：探偵小説と冒険小説が融合した幻想怪奇ロマン
ナレーター：野口 晃
再生時間：13 時間 7 分
オーディブル『孤島の鬼』配信ページ
11位：白昼夢
短編ながら“幻影文学”の魅力が詰まっている作品♪
江戸川乱歩の短編『白昼夢』（1925年）は、現実と幻想の境界が曖昧になる瞬間を描いた異色作です。物語は、主人公が昼下がりの散歩中にふと目にした光景から始まります。見慣れた街並みの中に、どこか異様で不気味な影が差し込み、現実の風景が次第に夢幻へと変貌していく──その描写は、乱歩独特の幻想的な筆致で読者を引き込みます。日常の中に潜む非日常、昼の光に照らされながらも広がる怪奇的世界は、乱歩の「幻想怪奇文学」の魅力を凝縮した作品といえるでしょう。
この短編は、推理要素よりも幻想性に重点が置かれており、乱歩が探偵小説の枠を超えて文学的実験を試みた一編として高く評価されています。
ジャンル：幻想怪奇文学（短編小説）
ナレーター：野口 晃
再生時間：15 分
オーディブル『白昼夢』配信ページ
12位：『化人幻戯』 (江戸川乱歩集) Kindle版（けにんげんぎ）
美女シリーズの中でも人気。
怪奇と妖艶さが融合。
江戸川乱歩の長編『化人幻戯』（1935年）は、変装と欺瞞、そして人間の欲望が織りなす怪奇的サスペンスです。物語は、名探偵・明智小五郎と怪人二十面相を思わせるような変装の達人との対決を中心に展開します。登場人物たちは次々と姿を変え、真実と虚構の境界が揺らぎ続ける中で、読者は「人間とは何者か」という問いに直面します。乱歩独特の耽美的な描写と倒錯的な心理劇が絡み合い、推理小説でありながら幻想的な余韻を残す作品です。
この作品は、乱歩が得意とする「変装」「怪人」「心理戦」を全面に押し出した長編であり、探偵小説の枠を超えて人間の本質に迫る文学的試みとしても評価されています。
オーディブル『化人幻戯』配信ページ
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13位：魔術師
明智小五郎と奇術師の対決。
アクション要素もあって読みやすい。
江戸川乱歩の長編『魔術師』（1930年）は、怪人と探偵の知恵比べを描いたサスペンスの傑作です。物語の中心にいるのは、変幻自在の怪人「魔術師」。彼は奇抜な変装やトリックを駆使し、世間を騒がせる犯罪を次々と仕掛けます。対するは名探偵・明智小五郎。魔術師の大胆な計画と、明智の冷静な推理が交錯する展開は、乱歩作品ならではの緊張感と華やかさに満ちています。
この作品は、乱歩が得意とする「変装」「怪人」「心理戦」を全面に押し出した長編であり、読者を非日常の世界へと誘い込む冒険的探偵小説です。舞台化や映像化も繰り返され、今なお人気の高い一作となっています。
魔術師は、オーデブル＆kindle本共に未発信
文庫本の紹介になります。
ポチップ
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プライムvideo【江戸川乱歩の美女シリーズ 妖しい稲妻の美女 江戸川乱歩の「魔術師」】
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14位：木馬は廻る
ユーモアも交えたライトな娯楽作。
初心者向け。
江戸川乱歩の短編『木馬は廻る』（1928年）は、夢と現実の境界が揺らぐ幻想的な作品です。物語は、遊園地の回転木馬を舞台に、主人公が奇妙な体験をする場面から始まります。きらびやかな音楽と華やかな光景の中で、木馬の回転は次第に現実感を失い、異様な幻覚の世界へと読者を誘います。乱歩特有の耽美的な筆致と怪奇的な雰囲気が融合し、日常の遊戯が一転して不安と幻想に満ちた空間へと変貌していくのです。
この作品は、推理要素を排し、純粋に幻想と心理的効果を追求した短編であり、乱歩の「幻想怪奇文学」の魅力を凝縮した一編として高く評価されています。
ジャンル：幻想怪奇文学
ナレーター：大島 昭彦
再生時間：34 分
オーディブル『木馬は廻る』配信ページ
15位：蜘蛛男
乱歩の“怪人もの”の走り。
エンタメ性が強く読みやすい。
江戸川乱歩の長編『蜘蛛男』（1930年）は、怪人と探偵の対決を描いたスリリングな犯罪サスペンスです。物語の中心にいるのは、全身黒装束に身を包み、蜘蛛のように壁を這い回る怪人「蜘蛛男」。彼は恐怖と混乱を撒き散らしながら大胆な犯罪を繰り返し、世間を震撼させます。対するは名探偵・明智小五郎。蜘蛛男の奇怪な行動と巧妙なトリックに挑み、知恵と心理戦で追い詰めていく展開は、乱歩作品ならではの緊張感と怪奇的魅力に満ちています。
この作品は、乱歩が得意とする「怪人もの」の代表格であり、後の怪人二十面相シリーズへとつながる重要な一作です。読者は、蜘蛛男の異様な存在感と、明智の鮮やかな推理のコントラストに引き込まれ、最後まで息をのむ展開を楽しめます。
ジャンル：探偵小説でありながら怪奇ロマンを帯びた犯罪サスペンス
ナレーター：でじじ, 斉藤 範子
再生時間：10 時間 52 分
オーディブル『蜘蛛男』配信ページ
初心者におすすめの読み方
- 短編（人間椅子 → 芋虫 → D坂）
- 明智小五郎シリーズへ（屋根裏 → 黒蜥蜴）
- 幻想文学（押絵・パノラマ島）
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